2006年09月13日

iPodは携帯電話に勝てるのか
IT

Apple iPod nano 2GB ホワイト [MA004J/A]

 ITmediaに、日本の音楽配信とそのデバイスに関する記事があった。結論としては、「今はケータイの着うたのほうが上だが、そのうちiPodとネット配信が抜くよ」ということらしい。

 記事を読むと、納得できる部分もある。実際、欧米では今もiPod+iTMSのほうが優勢だ。ただ、これからの予測に関しては疑問符もつく。

 ポイントは、音楽分野でケータイに対してiPodが勝ち続けるのかということだろう。現時点では機能面でiPodに分があるが、将来的にはまだまだわからない。

 たとえば、液晶ディスプレイではケータイのほうがサイズの面でも解像度の面でも圧倒的に有利だ。

 そして容量も、今後は小型HDDやフラッシュメモリの展開しだいでは、どんどん音楽用に携帯電話にも組み込まれてくるだろう。

 こう考えると、ケータイに対するiPodのストロングポイントはどこにあるのだろうか。それは、ひとえにiTMSとの連携にある。楽曲を手軽に購入し、他の音楽ファイルも簡単に転送できる。音楽のカジュアルユースの場合、この“簡単・手軽”というのが何よりも重要だ。

 反対に、現在のケータイの弱点はそこにある。着うたなどは確かに手軽に楽曲を手に入れられるものの、価格は全体的に割高で、しかもPCとの連携はほとんどできず、管理は容易ではない。また、着うた以外のファイルを使いたくても、端末がそれに対応していないのでは話にならない。

 このPCとの連携の薄さというのが、ケータイの最大の弱点かもしれない。コンテンツの著作権保護のためというのはわかるが、正規ユーザーからしてみれば使い勝手があまりよろしくないのは事実だ。ケータイも、“コンテンツ保護に走るあまりビジネスチャンスを逃す”という悪い流れに片足を突っ込んでしまっているような気がする。

 ただし裏を返せば、その辺りさえ解消すればケータイがモバイル音楽プレイヤーとしてブレイクする可能性は十分にあるということだ。

 元々、モバイル用途の機器は小さければ小さいほどよく、それは余計な荷物(とその重量)を減らすためだ。そして究極的には、ひとつのデバイスで複数の機能を有し、持ち運びする機器が少ないほうがいいに決まっている。

 では将来、ケータイがきちんと音楽プレイヤーとしての機能を有したとき、わざわざ別のモバイル音楽機器をバッグやポケットに入れるだろうか。誰もがケータイのほうを優先するだろう。それは今や、電話というよりもひとつの情報端末なのだから。

 iPod側も、映像コンテンツやゲームに積極的に対応しようとしているが、それすらもケータイのコンテンツとすでにかぶってしまっている。iPodの未来は本当に明るいかどうか――はたして。

投稿者 KATANA : 21:46 | コメント (0) | トラックバック

2006年09月09日

拡張子を「.html」のままPHPスクリプトを実行する
IT

 諸事情があってファイルの拡張子を「.html」のまま、その中にあるPHPスクリプトを実行したかったので、そのために調べたことの結果を書いておこうと思う。

 やり方は実は簡単で、.htaccessに次のいずれかを書き加えてやればいい。

AddType application/x-httpd-php .html .htm

<FilesMatch "html$">
ForceType application/x-httpd-php
</FilesMatch>

 これで、通常はPHPが動かない.htmlファイルの場合でもスクリプトは実行されるようになる。

 ちなみに、AddHandlerディレクティブを使って以下のように記述することもできる。たとえばXreaのサーバでは、モジュール版PHPとCGI版PHPを以下のように使い分けることが可能だ。

# モジュール版PHPとして実行する場合
AddHandler application/x-httpd-php .html .htm

# CGI版PHPとして実行する場合
AddHandler application/x-httpd-phpcgi .html .htm

 なお、.htaccessがない場合は空のファイルに上記のことを書いて、その設定を適用したいディレクトリに入れてやればいい。

 ただし、.htmlファイルでもPHPを実行することは、スクリプトの入っていないファイルでもPHPとして処理しようとするから、サーバのリソースを無駄に使うことになりかねないので注意が必要だ。

 とはいえ、Movable TypeのようにPHPでページを出力するものの場合、元からPHPが動いているのでたいして問題はないと思う。実際、体感でも遅くなったと感じることはないはずだ。

 もちろん、拡張子を「.php」にするのが最も手っ取り早いのは言うまでもない。

【参考サイト】
http://sb.xrea.com/showthread.php?t=11173
http://www.koikikukan.com/archives/2006/08/29-0002...
http://www.nishishi.com/blog/2006/07/phpifconfig.h...

投稿者 KATANA : 15:30 | コメント (0) | トラックバック

2006年09月06日

匿名性は本当に必要なのか
IT

 市民メディア『OhmyNews』が正式に活動を始めたこともあり、再びネットにおける情報発信のあり方についての議論が活発化している。

 中でも頻繁に焦点が当てられているのは、匿名性の問題だ。インターネットは情報メディアという面から見ると、まさにこの匿名性の高さがひとつの特徴だが、それゆえに様々な問題を抱えてしまっている。

 著作権侵害をはじめとした犯罪行為や、誹謗中傷が当たり前のように横行してしまっているのもそれが原因である。

 実際には完全な匿名性は確保されておらず、ユーザーの身元を突き止めることは比較的簡単なのだが、明確な証拠がないかぎり身元の情報開示を請求することが難しいことと、あまりにも多くの問題行為が存在するためにある程度は黙認せざるをえないというのが現状だろう。

 しかも最近ではファイル共有ソフトのWinnyに代表されるように、意図的に匿名性を高める目的のツールなども登場してきている。ウェブでもプロクシサーバの利用がより一般的になれば、さらに身元の追及が困難になる。

 言うまでもなく、匿名性が必要とされる場合もある。たとえば、日本では組織の不正を内部告発することを認める法律が存在しないため、こういった場合、情報発信者は守られなければならない。また、大きな問題をテーマにする際には周囲の強い反応があるだろうから、それから身を守るために匿名での主張は必要なはずだ。

 しかし、他に匿名性が求められる場合は何があるだろうか。実は、それほど多くはない。大半は、感情的な面で「匿名のほうが主張しやすい」というだけのことだ。

 はたして、これはそんなにも重要なことだろうか。匿名性が高いことのデメリットは先述のとおりであり、それは自分の主張に対して責任感が希薄になるせいだ。だから、ネット以外ではけっして言わないような酷いことを気軽に書き込んでしまったり、“カジュアルな”犯罪行為につながったりしてしまう。

 言論・表現に限らず、自分のやったことに自分で責任を持つというのは当たり前のことなのだが、それがネットの世界では匿名性を盾に簡単に破られてしまうのである。

 つまり、特殊な状況においてのみ当てはまる“匿名性の必要性”を、通常の状況にまで当てはめようとするからおかしなことになるのである。一般的に、特殊な場合をもって通常の場合を語ろうとすると、いつか必ず弊害が生じる。祭りのときのことをもって日常生活をどうこうするようなものである。例外はあくまで例外であって、通常とは違うのだということをわきまえる必要があるだろう。

 真に重要なのは、「気軽に書けること」なのか。それとも、「一人一人が責任感を持つこと」なのか。それを考えた結果が、匿名性について語るうえでの答えになるはずだ。

投稿者 KATANA : 20:05 | コメント (0) | トラックバック

2006年06月24日

YouTubeに見る新サービスの可能性と著作権問題
IT

著作権とは何か―文化と創造のゆくえ 現在、コンテンツ・プロバイダーやサービス・プロバイダーで著作権と無縁でいられる存在はないかもしれない。昨今注目を集めているYouTubeも、著作権がらみの問題にさっそく巻き込まれている。

 このYouTube、一昔前だったらあっという間に大企業など大手の著作権者の側から裁判所へ訴えられていただろう。Napsterしかり、MP3.comしかりである。

 しかし少なくとも今のところ、YouTubeをすぐに訴えようとする気配はない。これは、新技術・新サービスを敵視するのではなく、それらを利用する方向へアメリカの経済界がシフトしたためだと考えられる。

 提訴したところでまた新たなサービスが登場するか、もしくは対象がアンダーグラウンドな世界へ潜り込んでしまうかのどちらかである。それに現実問題として、訴訟にかかる金銭・時間などの総体的なコストもばかにならない。

 そこで、どうせならそれを取り込んでしまえという考え方は、いかにもアメリカらしいものである。もともと現在の経済は、技術革新をベースにして発展している側面が強い。それを否定することは、経済的な停滞にまでつながりかねないのだ。

 ひるがえって、日本はどうだろうか。残念なことに大企業を主体として、未だに新技術や新サービスを敵視する傾向が根強い。これは、技術立国である日本にとっては死活問題にもなりかねないことだ。それにもかかわらず、“大手の”著作権者の側は目先のことにとらわれすぎてしまう。

 こうしたことは国民性の違いもさることながら、おそらくアメリカに対して現状認識が遅れているせいもあるだろう。現実のひとつひとつの事象を見れば、おのずと新しいものへの攻撃は意味がないどころかデメリットばかりだということに気付けるはずだ。それができないのは、決断力のなさと現状把握のあまさが原因である。

 著作権はたしかに守られるべきだ。しかし、けっして絶対不可侵の神聖なものというわけでもない。政府は「知財立国」を目指すというが、それが知的財産へのいたずらな傾倒に堕するかぎり、現状からの悪化はあっても発展はないであろう。

 これまでは、知財権の強化がひとつの流れであった。これからは、そこから一歩進んで知財権と現実のほかの要素とのバランス取りが問われている。

投稿者 KATANA : 16:00 | コメント (1) | トラックバック

2006年06月23日

YouTubeとterra naomi
IT

 W杯の話題にはしばらく触れたくない(苦笑)。正直、ジーコジャパンからはいろいろなことを考えさせられたから、まだその整理がついていないのだ。

 それはともかく、今日はYouTubeのサーバがまた落ちたということを話題にしようかと思っていたのだが、先ほどアクセスしてみたら正常に動いていた。

 そのトップページでたまたま見つけたterra naomiというアーティストのビデオが(というか曲が)、非常によかった。

 メロディアスな曲で、とにかく耳に心地いいというか印象に残っている。

 YouTubeに自宅で撮影したビデオを投稿しているから、アマチュアなのかな? まあ、インディーズだとしても結構レベルが高いのではないだろうか。

 正直、偶然にこういったアーティストと出会うことになるとは思っていなかった。これこそがネットの醍醐味だが、YouTubeのパワーでもある。

 本当は今回、YouTubeを著作権問題で突っついてやろうと思っていたのだが、かえってその力をまざまざと見せつけられてしまった思いだ。

 まあ、いろいろと問題をはらんでることは事実だけど(笑)。

# それにしても、terra naomiってどういう名前なんだろう? 寺 直美じゃあるまいしw たぶん、地球を表わすterraに女性名のnaomiを付けたんだと思うけど。

投稿者 KATANA : 18:11 | コメント (0) | トラックバック

2006年06月10日

勝手にアクセス拒否でまいっちんぐ
IT

 いやはや、いろいろあって更新が滞ってしまった。

 というのも、突然自分のサイトにアクセスできなくなってしまったから。OSの設定はもちろん、アンチウイルスソフト、パーソナルファイアーウォール、ルーターなどの設定はすべてチェックしたのだが、問題点はなし。

 よくよく調べてみると、自分のサイトどころかそれのあるサーバ自体にアクセスできない。だから、自身のサイトの設定を確認することさえできなくなってしまった。しかし、なぜかFTPではつなげる……。

 というわけで、どうやらHTTPでアクセスしようとするとサーバ側からキックされているらしいことがわかった。サーバの管理者に問い合わせると、数日経ってからなぜかアクセス拒否リストにこちらのIPが入ってしまっていたとのことだった。

 レンタルサーバ・サービスで、よりによってユーザーのIPをキックしてしまうというのは致命的すぎるミスだと思うのだが……。

 Movable Typeでコメントを投稿した直後からおかしくなったから、どうもそのときに何かが起きてデータベースに不正アクセスしたと見なされてしまったのだろうか。管理者の側がぜんぜん説明してくれなかったので原因ははっきりとしないが、それにしても不愉快な思いをさせられた。

 使用しているサービスはXreaのもの。ここは比較的ユーザーの側の自由度は高いが、どうも運営やサポートの面で物足りなさがある。やはり、安定したサービスを求めるならロリポップのほうがいいのではないだろうか。

 ただ、正直に言うと更新が止まっていた理由はそれだけではない。実は今、あるものを書いていてそれに集中しているところなのだ。近いうちにそれを発表できればと思う。

# いま調べてみたら、Xreaサーバのスパム機能が原因だったと発覚。こっちはサポセンに連絡しているくらいなんだから、それくらい説明しろよ……。

 それにしても、スパム対策の難しさを思い知らされる。誤検知は正規ユーザーにとって痛いんだよなぁ。

投稿者 KATANA : 13:56 | コメント (2) | トラックバック

2006年04月12日

成分解析 on Web
IT

 一部で話題になっていた「成分解析」のWeb版が出ていたのでさっそく試してみた。

機動戦士の解析結果
機動戦士の56%は海水で出来ています
機動戦士の28%は魂の炎で出来ています
機動戦士の6%は気の迷いで出来ています
機動戦士の6%はミスリルで出来ています
機動戦士の4%は言葉で出来ています

 海水というのがよくわからんが、魂の炎は確かにある。新兵器だけにミスリル的なものが使われていると考えてもいいのか。 もっとも気になるのは6%の気の迷いだが……。ガンダムのパイロットは気の迷いだらけだ。

ガンダムの解析結果
ガンダムの45%は希望で出来ています
ガンダムの43%は純金で出来ています
ガンダムの6%は成功の鍵で出来ています
ガンダムの5%は理論で出来ています
ガンダムの1%はお菓子で出来ています

 45%の希望……! 純金というのは価値が高いということだろうか。6%の成功の鍵って? まあ、理論は確かにあるだろう。

機動戦士ガンダムの解析結果
機動戦士ガンダムの58%は勇気で出来ています
機動戦士ガンダムの34%は株で出来ています
機動戦士ガンダムの6%はお菓子で出来ています
機動戦士ガンダムの2%は言葉で出来ています

 勇気だ、うむ。

ツンデレラの解析結果
ツンデレラの52%は覚悟で出来ています
ツンデレラの30%は雪の結晶で出来ています
ツンデレラの9%は濃硫酸で出来ています
ツンデレラの8%はミスリルで出来ています
ツンデレラの1%は言葉で出来ています

 微妙に当たっているような。覚悟はあるだろうし、ちょっとアブナイという意味においては濃硫酸的だ。そして、ツンデレの言葉に揺れ動く。 でも、雪の結晶というのは綺麗ってこと? それとも、もう冷たくなって死んでるってことなのか。

長谷川京子の解析結果
長谷川京子の61%はやらしさで出来ています
長谷川京子の26%はお菓子で出来ています
長谷川京子の9%は心の壁で出来ています
長谷川京子の2%は成功の鍵で出来ています
長谷川京子の2%は気の迷いで出来ています

 なんだこれ? ファンの人から怒られそうだ。

 ちなみに――

名古屋グランパスエイトの解析結果
名古屋グランパスエイトの49%は覚悟で出来ています
名古屋グランパスエイトの34%は白い何かで出来ています
名古屋グランパスエイトの9%はお菓子で出来ています
名古屋グランパスエイトの7%は言葉で出来ています
名古屋グランパスエイトの1%は成功の鍵で出来ています

 成功の鍵は1%しかありません。

投稿者 KATANA : 10:31 | コメント (0) | トラックバック

2005年09月23日

WinMXもついに……
IT

 アメリカの最高裁がファイル共有ソフト提供企業にも責任があると判決を下したことで、音楽業界を中心とした著作権者側が攻勢に出ている

 そのあおりを受けて、あのWinMXを提供していたFrontcode Technologiesのサイトも閉鎖されてしまった。ただ、 この企業はカナダにあると言われていたが、実態はよくわからない存在だった。 ファイル共有ソフトの提供者やユーザーに対して攻撃的なACCSやレコード協会でさえ、その所在を特定できなかったという。

 そもそも、本当に企業なのかどうかもわからない。よくよく考えてみれば、どうやって利益をあげようとしていたのかも謎だった。 公式サイトに広告のバナーが貼ってあったが、あれだけで開発費がペイできていたかどうかは疑わしい。開発の遅さからしても、 おそらく企業という名を借りていただけだったのだろう。

 やや残念なのは、WinMX 4.0がこのまま幻に終わってしまう可能性が高いこと。 キューの問題も解決するといわれていただけに、WinMXの新しい形を見てみたかったのだが。

 ファイル共有ソフトの提供者自体を悪者あつかいするこの流れは止められないのだろうか。

投稿者 KATANA : 16:50 | コメント (0) | トラックバック

2005年07月18日

iTunes Music Storeはダンピング?
IT

 iTunes Music Storeの日本版提供に向けて、アップルは着々と準備を進めているようだ。

 このiTMS、米国ではなんと1曲0.99ドル(110円)という低価格で販売されている。海外でもっとも高い英国版でさえ、0. 79ポンド(155円)だ。

 アメリカでは今や、CDのアルバムでさえ10~15ドル(1,100~1,650円) で手に入るのだから驚くに値しないのかもしれないが、日本の、たとえばソニーのbitmusicが1曲210円で提供していることを考えると、倍近い差がある。しかも、 総じて日本の音楽配信は著作権管理がきびしく、はっきりいって使い勝手が悪い。

 もちろん為替レートと実際の物価には差があるが、それにしてもこの差はなんだろう?  日本が高すぎるのかiTMSが安すぎるのかは判断の難しいところだが、問題なのは後者の場合だ。

 消費者からすれば、安いに越したことはないだろう。しかし、それはあくまで短期的なことにしかすぎない。

 もし一部で報道されているようにアップルがiTMSは赤字覚悟で、 利益はあくまでiPodの販売から出すというシステムでやっている場合、他の音楽配信ビジネスが価格面で太刀打ちできないのは当たり前だ。 ソニーのように自社グループで音楽プレーヤーを提供することができるのなら、アップルと同じ戦略をとることも可能ではあるが、 純粋な音楽配信サイトはもうどうにもならないだろう。

 このままでは、欧米が実際にそうなりつつあるようにiTMSの独壇場になる。こうなると、独占の弊害が出てくることは想像にかたくない。 価格をつり上げることも、サービスの改善を抑えてコストを減らすことも思いのままだ。

 しかも、音楽プレーヤーのビジネスと繋がっているのだからたちが悪い。事実、iTMSを有効に利用したかったらiPodを買うしかない。 アップルは、音楽配信と音楽プレーヤーの両分野で独占体制を築くことが可能な立場にいる。

 おそらく、自社で音楽配信を行っていることも多い日本のレーベルがiTMSと楽曲ライセンスを結ぶのを渋っているのも、 上のようなことを危惧しているためだろう。特に、音楽プレーヤー事業も手がけているソニーはその傾向が強いはずだ。

 今回の話題はあくまで推論である。しかし、かぎりなく現実に近いものでもあるはずだ。今後、われわれ消費者や国内企業、 そして公正取引委員会はアップルの動向を注視すべきだろう。あとで後悔しないために。

投稿者 KATANA : 17:23 | コメント (0) | トラックバック

2005年07月15日

企業とオープンソース・コミュニティ
IT

 今やオープンソースは、企業にとっても重要なものになりつつある。そのソフトウェアを利用するだけでなく、 もはや企業がコミュニティに参加することさえ珍しくはなくなった。

 しかしそのことで、いろいろな弊害の可能性が出てきた。たとえば、意図的なソースコードの非開示。 改良した部分が自社にとって有利ならば、その企業があえて公開しなかったり、他のコードでごまかそうとしてもなんら不思議はない。

 また、以前から指摘されているとおり、ソフトウェア特許の問題もある。 そもそもソフトウェアに特許が認められるか否かは米国以外ではまだ不透明だが、仮に認められた場合、 企業が自社で保有する特許に触れるコードをオープンソースにこっそり仕込んでおき、 そのソフトウェアが普及してから特許使用料を請求する  ということも、やろうと思えばできてしまうのだ。 SCOがLinuxに対して行ったように、著作権の面でも同様のリスクがあるといっていい。

 そして、現実にOpenOffice.org(OOo)で騒がれていることが、ソースコードはクリーンであるものの、 そのソフトウェアを利用する際に特定の“プロプライエタリな” アプリケーションが必要になるようにしてしまうことだ。つまり、実質的にオープンソースとしての意味がなくなる。OOoでは、 SunのJavaランタイムに依存する部分が多いことが問題になっているのだ。リチャード・ストールマンは、これを「Javaトラップ」 と呼んでいる。

 いずれもオープンソースの生命線にかかわることだが、最初の二つの例はあきらかに悪意のある行為だけに、 かえって断固とした対応がとりやすい。しかし、Javaトラップのような事例では、そういった面での判断が難しい場合がある。

 どうして、こうなってしまうのだろうか。オープンソースと企業との関係は、思った以上に厄介なことがありそうだ。

 最近よく聞くのは、企業がオープンソース・コミュニティに入ってきたことで、個人のボランティアがやりづくらなり、 コミュニティから離れていってしまうことがあるという話だ。これは、ある面では仕方がない。オープンソース・コミュニティも組織である以上、 新参者が入ってくると変化せざるをえず、それに合わない側が出てくるのは必然であることがその理由だ。

 ただし、今後はこの流れが強まる予感がある。なぜなら、企業と個人ボランティアでは求めるものが正反対だからだ。企業は当たり前だが、 金銭的な利益の追求が大前提にある。そして個人ボランティアの側は、むしろコミュニティへの貢献を目的としていることが多い。

 もちろん、利益を最優先せずにコミュニティを尊重する企業もあるだろうし、逆に自己顕示欲など利己心で動いている個人もいるだろう。 しかし、根本的な部分で生じているズレはいかんともしがたい。企業が参加することを楽観視する論調もあるようだが、 今後ますますこれらの問題が表面化してくることは間違いないだろう。

 それでも、今となっては企業もオープンソース・コミュニティの重要な構成員である。これからのコミュニティのリーダーに求められるのは、 企業と個人ボランティアの連携を保ってバランスをとるいう困難な仕事を完遂しうる能力だろう。

投稿者 KATANA : 17:29 | コメント (0) | トラックバック

2005年07月11日

次世代DVDは普及するのか
IT

 ここ最近、仕様に関するソニーと東芝の交渉が決裂だとか、著作権保護の仕組みがどうなるのかといった次世代DVDにかかわる話題が多い。 ソニーのBlu-ray Discに至ってはすでに発売されており、実用の段階にも入っている。

 しかし、その根本的なところでひとつの疑問がある。はたして、次世代DVDは普及することができるのだろうか?

 次世代DVDが期待される根拠は、もちろん大容量化だ。映画ならばDVD以上にクオリティの高い映像と音声をつめ込むことができ、 記録型メディアとしてはより多くの情報を入れることができるようになる。

 もちろん、これら機能的な面からいえば新技術はすばらしい。ただし、 技術的に優れているからといって必ずしも普及するとはかぎらないのが世の常だ。

 たとえば音楽メディアのスーパーオーディオCDやDVD-Audioは、CDよりも遥かに音質面で高いレベルにあるにもかかわらず、 結局のところ大半の人々には受け入れられなかった。

 なぜだろうか。ひとつには、CDが普及しすぎたという面がある。CDは音に関しては問題があるが、 使い勝手がいいため爆発的に世に広まり、定着した。技術的な商品にかぎらず、 こういったデファクトスタンダードとなったものをもう一度塗り替えるのは、並大抵のことではない。

 もうひとつ、人々の現状への満足感という面も大きい。例に挙げたCDでは、音質にこだわる一部の人を除いて、 大半の消費者がCDですでに満足している。明らかな欠陥があるのならともかく、 それなりに納得のいくベルならばあえて新しいものに手を出そうとしないのは、人間の心理として当然のことだ。

 上のことと関連して、別の理由もある。それは、初期投資にかかる費用だ。どんなに素晴らしい技術であっても、 それを利用するために多くのコストがかかってしまうのでは、当たり前だがほとんどの人は手を出そうとしないだろう。 SACDやDVD-Audioが普及しなかったのは、結局のところそれを再生するためのハードルが高すぎたのだ。

 これらのことを踏まえて改めて次世代DVDを見ると、いくつか疑問点が出てくる。まず第一に、 ROMでも記録型でもこれほどDVDが普及した現状で、それを塗り替えることができるのか。今やDVDは、 映画でもビデオの記録でも欠かせないものとなった。この状況で、ハードの刷新を含めて人々を移行させるのはけっして容易なことではない。

 第二には、既存のDVDへの満足感を打ち破ることができるのかという問題もある。一部のAV関連に熱心なファンはともかくとして、 質的な面でもDVDで十分だと考えている人は多いのではないだろうか。筆者自身、もちろんクオリティが高くなるにこしたことはないが、 DVDで不満か満足かと問われれば迷わず後者を選ぶ。消費者にとって致命的な欠陥があるのでないかぎり、DVDは“必要十分”なメディアなのだ。

 最後に、このことが最も懸念されることでもあるが、次世代DVDを利用するための初期費用はどれくらいなのか。DVDの場合、 PlayStation 2というゲーム機が果たした役割が大きい。 Blu-rayは次世代PlayStation用のメディアとして使われるが、 まだまだDVDを凌駕して普及させるということに関しては、不透明な部分が大きい。

 しかも記録型の場合、ここ2、3年でようやくDVDレコーダーの人気が出てきたばかりだ。この状況で「次世代DVDへ移行してください」 と企業側が言ったところで、少なくともビデオレコーダーの分野では消費者はしばらく動かないだろう。

 このように考えていくと、次世代DVDが音楽分野におけるSACDやDVD-Audioと同じ運命をたどってしまう可能性もある。 著作権保護機能が強化されるといっても、それはあくまで著作権者の利益であって消費者の利益ではないのだ。 さらに規格統一がうまくいかなかったということも、悪い流れを強めてしまったことは間違いない。

 しかしその一方で、一定以上の普及が予想されるゲーム機での採用など追い風が吹き始めたのも事実。どちらに転ぶかはわからないが、 今後の動向を見守りたい。

投稿者 KATANA : 14:02 | コメント (0) | トラックバック