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2006年07月09日

イタリアサッカーの闇

CALCiO (カルチョ) 2002 2006年 08月号 [雑誌] ついにW杯ももうすぐ決勝戦。イタリア代表は国民の期待を背負って戦うことになるわけだが、その一方でイタリアサッカー界の暗部である八百長問題の審決も大詰めを迎えようとしている。

 普通ならばイタリアの検察側が要求しているとおり、あそこまでひどい八百長を行ったユベントスは3部(セリエC1)へ、そして部分的に関わったミランやフィオレンティーナは2部(セリエB)へ降格というのが当然だろう。

 しかしここに来て、怪しい流れができつつある。イタリア代表の活躍にあてられたか、“カルチョのために”ペナルティを軽減しようというのだ。いわく、「ビッグクラブが降格すれば、いい選手が他国のクラブに奪われてしまう。そうなると、イタリアサッカー界のレベルが落ちてしまうから、ユベントスなどには恩赦を」ということらしい。

 これは筋が通っているようでまったく通っていない。そもそもユベントスだけが起こした問題ならともかく、ミランなど複数のクラブが絡んでいるということは、もはやカルチョの世界全体がおかしくなっているということだ。

 実際、イタリアサッカーはいろいろな面で狂っている。たとえば、結果を極端に重視して守備的なつまらないサッカーに終始したり、一部のファンが暴動を起こしたりしているように。

 私は逆に、今この時がカルチョを変革するチャンスだと思っている。これまでたまりにたまった澱を一掃し、いい方向へむかうべき時期に来ているのではないか。

 そのためには、けっして今回の問題をうやむやのうちに終わらせるべきではない。2年や3年という短いスパンの目先の利益にとらわれるのではなく、もっと大局を見てほしい。確かにユーベやミランが降格すれば、セリエAの質・人気は急落するだろう。しかし長期的には、問題点の改善によって必ずよい結果が生まれるはずだ。

 この点、イタリアはイングランドを手本にできる。イングランドもかつてファンの暴動が原因で国際舞台からの締め出しをくらい、国内リーグは低迷した。しかしそれをきっかけとして過去の体制を改めたプレミアリーグを発足し、地道な努力のおかげで今や世界でもトップクラスの人気を誇るリーグに変貌している。

 だから、イタリアもカルチョのためにこそ問題を起こしたチームには厳しい対処をすべきなのだ。もしイタリアらしい結果至上主義と天真爛漫さによって処罰をあまくするようなら、そのときこそカルチョの未来が閉ざされるだろう。イタリア人がイタリアサッカーそのものを滅ぼすことがないことを祈りたい。

投稿者 KATANA : 2006年07月09日 15:32

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