2006年05月05日
残念なことに、F1・スーパーアグリの井出有治がドラバーズシートを失うことになってしまった。
結局は、サンマリノGPでアルバースを派手に横転させてしまったことが響いたようだが、それ以外にもチームメートの佐藤琢磨より大幅にペースが遅かったり、周回遅れになる際にマシンのパスのさせ方がいまひとつだったりしたことも評価を下げる結果となってしまった。
ただ、少なくとも自分の目には、あのクラッシュがすべて井出の責任だとは思えない。アルバースはスタートに完全に失敗して大幅に遅れ、1コーナーのラインに最初にのっていたのは井出だったと思う。そこをアルバースが無理にインにかぶせたか、もしくは後方をまったく見ていなかったのではないか。
彼が来るのに全く気づかなかった。すごくびっくりしたよ。
もちろん80~90%以上、井出の側に非があることは事実だが、それにしても周りが騒ぎすぎるように思える。
これはやはり、アルバースのクラッシュがあまりにも派手すぎたためだろう。もし通常のコースオフだけだったならここまでの騒ぎにはならなかったはずだ。事実、サンマリノ以前には力量が足りないとする声はあったものの、明確な批判はほとんどなかった。
私はこの辺から、どうも“セナ・ショック”の後遺症というか、F1関係者における“クラッシュ・アレルギー”が感じられてならない。実際、年寄り連中ほど井出の批判をしていることを思うと、無関係ではないように思う。
あの94年は、セナの事故だけでなく他にもひどい事故が相次いだ。サンマリノGPだけでも、ラッツェンバーガーが亡くなり、バリチェロも一時意識を失うほどのクラッシュをしている。
そして今年、同じサンマリノGP。しかも、若手ドライバーが最強チャンピオンを追うという状況の一致。あのアルバースの派手なクラッシュに、12年前のことを思い出した人も多いだろう。
言うまでもなく、セナ・ショックがあったからこそ彼が最後まで望んでいた安全性の追求が劇的に押し進められることになり、結果アルバースはほとんど無傷ですんだ。
しかし、モータースポーツにクラッシュは付きものだ。安全に走っているだけでは、ただのドライブになってしまう。
安全性の追求は非常に大切なことではあるが、それに偏りすぎるとレースがレースでなくなってしまう。F1参戦1年目のルーキードライバーを、もう少し長い目で見てあげてほしかった。
もしセナがあの場にいたとしたら、井出を責めただろうか、それともあえて許しただろうか。
投稿者 KATANA : 2006年05月05日 11:36
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