2005年08月28日
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昨今、「本当の豊かさとは何か」ということがよく議論されている。その延長として“ゆとり”をテーマに、教育や行政の分野などでさまざまなことが行われているようだ。
しかし、時間的・金銭的に“ゆとり”があったとしても豊かでない人たちが多い。要するに人間の心にかかわることだから、表面をなでるだけでは効果が薄いということだろう。
さて、今回紹介する『リトル・トリー』という小説は、両親を失った幼い少年がネイティヴ・アメリカン(インディアン)のチェロキー族である祖父母のもとで暮らすという物語だ。ストーリーの大半は日々の生活を淡々と語っているだけなのだが、その何気ないことがらの中にわれわれ現代人がはっとさせられる“知恵”がちりばめられている。
今は、「なにが大切でなにが不要か」がわからなくなってきている時代である。いい学校に行き、いい会社に入れば幸せになれるなどといった神話は崩れ去った。どんなに物質的に豊かで、どんなに輝かしい経歴をもっていても幸せになれない。昨今の異常な事件や自殺、鬱病などの増加はそのことを端的に物語っている。
われわれは何を見落とし、何を捨ててきてしまったのだろう? 田舎に憧れる人が増えているが、それは何を物語っているのだろう?
『リトル・トリー』は、その答えのパーツを与えてくれる。はっきりと書かれているわけではない。なにげない事実を語ることによって、大切な“何か”をわれわれに伝えてくれるのだ。
この本には、本当の“生きる知恵”が記されている。現代を歩む皆さんにこそお勧めしたい一書だ。
【追記】 私は知らなかったのだが、この小説を題材とした同名の映画が出ているそうだ。もし観た方がいたら、ぜひ感想を聞かせてほしい。
投稿者 KATANA : 2005年08月28日 19:19
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